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レッテルを貼ることは人間のやる気をそぐ:人事評価の新しい潮流

欧米における評価制度が日本ではかなり誤解されています。GEジャクウェルチが提唱した強制分布に基づく厳しい評価制度(C評価:20%、B評価:70%、A評価:10%の分布を強制する)が有名でいろいろな雑誌で紹介されるために、米国では多くの企業がこのような厳しい評価制度を実践していると誤解している日本人が多いと思います。しかし、米国の権威ある人事担当者の団体WorlrdatWorkが実施した2007年の調査では多くの企業がこのような考え方に慎重であり、採用しているのは10%台の企業に過ぎません。このような事実を踏まえずに、多くの人事コンサルタントがGE流の評価方法を新しい流れとして日本に導入しようと旗振りをしてしまったのです。全くお粗末な話です。私たちは欧米の企業では、徹底した成果主義が支配していると考えがちですが、人事担当者の現場では多様かつ健全な議論が今も続いています。ちなみに総合評価で社員を分類することに欧米で反対する意見が多くありますが、「評価ラベルによって、社員の成果のすべてを示すことは、その成果に影響を及ぼすいくつかの複雑なファクターを単純化しすぎる。」「成果の質的な側面を評価することは難しい。」「平均または平均より下(同義の別の用語を使ったとしても)といったラベルを人々に付けて分類することは社員のプライドを傷つけ、モラール低下を招く。」などが主な理由です。


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2009年5月

PMI 野尻賢司が主宰するパフォーマンス・マネジメント研究所Column>レッテルを貼ることは人間のやる気をそぐ:人事評価の新しい潮流