PMI News

PMI News #43

The Big Zero:良いことが何も起こらなかった10年

2008年にノーベル経済学賞を受賞しているアメリカの経済学者ポール・クルーグマンがNY Timesのコラムに「The Big Zero」という記事を寄せた。「経済の観点からみて、過ぎ去ったこの10年を『BigZero』と呼ぶことを私は提案したい。良いことが何も起こらなかった10年であり、私たちが良くなると楽観的に見ていたものが、ことごとくそうならなかった10年である。」と2001年から始まったこの10年を悲観的に総括しています。
 この記事を読んだ後、この「The Big Zero」をどう捕らえたらいいのか、そしてこれからどのような姿勢でこの厳しい状況に向かえば良いかを考えていました。
経済の観点ではBig Zeroかも知れません。しかし個人個人は一人の人間として、社員として、また家庭人として10年間、色々なことにチャレンジし、努力し、学び、成長してきたことは事実です。私の子供たちも学生から社会人となり、仕事のこと、職場の人間関係のことで多くのことを学び成長しました。また企業においても、ワーク&ライフバランスの施策について検討され種々のプログラムが実施され程度の差こそあれか進歩しました。職場におけるオープンなコミュニケーション風土の必要性についても理解が進みました。その面では悲観的になる必要はありません。人間が学び、努力を重ね成長するというこの真理は普遍です。
 もうひとつ感じたことは、私たちは一人の人間として、社会に影響を及ぼす立場にあり、その影響力を行使する、しないの判断は自分にあること。雇用が大きな社会問題となっていますが、企業、特に人事担当者にとっては、雇用に最大限努力する姿勢を持つことが社会的責任を果たすことであり、その方針を社内で提案し議論できるはずです。

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