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意思決定スタイルに基づくチームビルディング

他人の意思決定スタイルを知ることは大切

リーダーシップおよびマネジメントの役割は組織によって、その内容はかなり異なります。しかし、すべてのリーダーやマネジャーがすべからく実践しなければならないひとつの役割があります。それはディシジョン・メーキング(意思決定)です。管理者に関するいくつかの研究は、管理者の典型的な一日を、仕事の開始から終わりまで、大小様な意思決定の連続として描いています。そして、良きにつけ悪しきにつけ、彼らの決定は個人、チーム、組織の業績に影響を与える故に、非常に重要な意味を持つのです。

ディシジョンのスタイルは、経験によって会得した「考え方の習慣」で、書き方、話し方、服装、ゲームの仕方等のスタイルと同様、私たちは、学校で、職場で、余暇活動の中で、他人の例を真似るうちに、意思決定の仕方を学びます。人は、それぞれに違った背景と経験を持っていますから、意思決定に関しても、それぞれに違ったスタイルを学ぶことになります。

ディシジョンの各スタイルは、絶対的な意味において、他のいずれかよりも優れているとか、劣っているとか、いうものではありません。各々が長所と短所を持っています。従って、ある意思決定スタイルが、ある状況のニーズに合うか合わないかというその観点においてのみ、「良い」とか「悪い」とかいうことになるのです。状況により、まったく異なった決定が必要となりますから、ある状況でうまく機能するスタイルであっても、他の状況ではうまく働かないかも知れないのです。

他人のディシジョン・スタイルをうまく診断・推察でき、それぞれのスタイルへの対応の仕方を知ることは、ある特定の仕事に対する人選を行ったり、意思決定の手順を考えたり、プレゼンテーションを行ったりする上で、役に立ちます。また、各スタイルの長所及び短所について知ることは、管理者が適材適所を判断する上で、役立つものです。ある任務に要求されるスタイルを見極めることにより、管理者は部下を新任務に慣れさせる為に必要な指導方法を明らかにすることができるはずです。

他人の意思決定スタイルを知ることは大切

チームはいろいろなスタイルを必要とします。様々なスタイルは、それぞれがお互いに補い合っており、チームが危険な、決まりきった思考パターンに陥ることを防ぎます。スタイルの違いにより、チームの創造性、すばらしい計画、積極的な活動、変化するビジネス環境への迅速な対応力などが育つのです。しかしながら、同時に、チームが必要とするスタイルの違いはメンバー間において摩擦やトラブルを引き起こすことにもなりかねません。 ディシジョン・スタイルが人によりいかに異なっているかを理解し、また各々のスタイルの長所及び短所を理解している管理者は、この違いをうまく活かしています。この違いを障害や決定的対立の原因と見るより、むしろチーム・シナジーを育てる良い機会として捉えているのです。さらに、自分自身のスタイルの長所をどのようにして活かせば良いかも知っています。彼らは、どのような状況で、いつもと異なった方法で対処する必要があるかを識別できるのです。また、仕事やディシジョンの権限委譲のタイミングも知っています。
PMI 野尻賢司が主宰するパフォーマンス・マネジメント研究所Consulting>意思決定スタイルに基づくチームビルディング